どっちが本物?

私はふと疑問に思う。

カメラで撮影する月と肉眼で見る月では大きさに違いがあることに無邪気な違和感を感じられずにはいられなかった。違いがあるならきっとどちらかが虚像なのだろうと思う。私は肉眼で見たものを全て正しいとは思わない。なぜなら錯覚という概念が存在するからだ。ただ、錯覚はこういった場合には該当しないのが一般的な科学常識である。しかし、仮にこの事象に錯覚として認識させてみると筋は通らなくないとも思えるのが違和感を感じさせる原因である。そうなると見ているもの全てが錯覚であるとも言えてしまうので破綻した理論を展開するだけになるが、逆説的発想であるならどちらも錯覚であればどちらも虚像ではないとも言えるかもしれない。つまり、モノを見るときに肉眼というフィルターを通して認識を始めるのであるならその時点でそれはもう錯覚なのである。すなはち人は錯覚を真実と捉えているのだ。